この時期になんとなく不調が続くというのは、2つの大きな要因が考えられます。
ひとつは「急激な気温の低下」だ。単に、寒さで風邪をひきやすくなるということだけではありません。
寒さは私たちの体にとって、「外からの環境的ストレス」になりうるのです。
気持ちではストレスを感じていなくても、体は寒さをストレスと感じ、何とか寒さから身を守ろうと交感神経を活発に働かせます。
もうひとつは、「精神的なストレス」です。仕事量が増えたり、イベントが重なって夜更かしが増えたりと、ストレスもこの時期は増加しやすい環境にあります。
すなわち、「疲れがたまりやすく、気持ちも常に『がんばっている』状態 」が続くというわけです。
緊張が続くと免疫力に関わるNK細胞の機能が低下
この2つに共通しているのが、ストレスによって交感神経が優位な状態にあるということです。
自律神経のひとつである交感神経は、体を興奮状態にする作用があり、体を活発に動かすために働いてくれる重要な神経です。
ですが、常に交感神経が働いてしまうと体は緊張状態が続き、免疫力に関与する「NK(ナチュラルキラー)細胞」の活性が低下してしまうことがあります。
また、慢性的なストレスは副腎皮質ホルモン、いわゆる「ストレス抵抗ホルモン」を分泌して、免疫を抑制する作用があります。
これらの理由から、交感神経が優位な状態が続くと免疫力が低下してしまいます。
「無理をしない」意識で、免 疫力低下を乗り切る
免疫力の低下は風邪や疲れだけでなく、「がん」などのさまざまな病気にも影響する可能性がある。
免疫力は、20歳をピークに年齢とともに徐々に低下していくことがわかっています。
そのため、免疫力を下げないように日常生活の中で工夫することが大事になってきます。
免疫力低下を避けるためにしておきたいことを5つまとめましたので、年末年始に向けて少しずつでもいいのでトライしてみてはいかがでしょうか。
対策1 70%の精神を持つこと
同じ仕事をしていても、ストレスを感じやすい人とそうでもない人がいまうす。これはストレスの感受性の問題で、個人差があるのは仕方ありません。ただ、ちょっとしたとらえ方の違いで、ストレスの感じ方は変わる。同じ疲れがたまっている状態でも、「つらい、疲れた……」と思う人と「疲れた~のんびりリラックスしよう」と思う人では、受け止め方も変わってきます。深刻に受け止めすぎず、「まぁいっか」「どうにかなるさ」「のんびりしよう」「少しペースを落とそう」と気持ちを切り替えてみることも大切です。
対策2 ビタミンCなどの水溶性ビタミンをたっぷり摂取
ビタミンには、体の免疫力に作用するものが多くあります。ビタミンは大きく分けて、水溶性と脂溶性の2タイプがありますが、免疫力に有効な働きをするのは水に溶けやすい水溶性ビタミンです。具体的には、ビタミンB群をきちんと摂(と)ると良いです。ビタミンCもストレスや免疫力に効果的ですが、必須なのはビタミンB群です。特にこの年末にお酒を飲む人は、体内のビタミンB群が減少しやすいので、意識してサプリメントなどで補うと良いでしょう。
対策3 肝臓の休息日を確保する
肝臓の機能が低下すると疲労感が増え、免疫力が低下します。年末年始はますます仕事も飲み会も増えます。必然的に肝臓の機能が低下しやすい時期でもあるので、肝臓を休める努力をすることが肝要です。食べ過ぎや飲み過ぎを見直して、休肝日をきちんと設けるとともに、睡眠がきちんと確保できるよう生活サイクルを改善しましょう。
対策4 ミネラルを積極的に摂(と)る
免疫力低下を防ぐには、ミネラルも大切です。特に亜鉛は免疫活性を促進する働きがあるため、積極的に摂(と)ってほしいミネラルです。食品だと牡蠣や牛肉、鶏肉、豚肉、卵、ごま、のり、ワカメ、納豆、ブロッコリー、レバーなどに含まれています。
対策5 コラーゲンのパワーを活用する
コラーゲンというと、美肌効果がクローズアップされがちですが、実は免疫力を高める作用があることもわかってきています。コラーゲンは、肉や魚などを摂取することで体にとりこむことができます。また、ビタミンCといっしょに摂取することで吸収されるため、ビタミンCも忘れずに摂(と)るように心がけましょう。
最後にどうしても免疫力が低下して長く風邪が続く時には、矯正をするのも効果的です。
自律神経を整え、副腎や肝臓の働きを活発にしてくれます。